私の中の図書館〜ライブラリー〜

読んだ本の内容をすぐに忘れてしまうので、ストーリーや読んで感じたことを書き留めたいと思います。

田丸尚美「乳幼児健診と心理相談」(2010)

乳幼児健診と心理相談

乳幼児健診と心理相談


今回、私が研修をする側(教える側)に立つことになり、勉強し直そうと思い手に取ったのが、この本。
つい昨年までの私…日々の忙しさに追われて知識を磨くことがおろそかになっていたことに気付く。
きっとこの本に今のタイミングで出会え、これまでを振り返り、自分の立場を・これからを考えるとてもよい機会を頂いたことに感謝。
 
私が、始めた頃は乳幼児健診と心理相談のことが書かれてある参考書なる本がなかった。

詳しく書かれてある本といえば、ことばの遅れやことばの相談との絡みで書かれてあった中川信子先生の本と医学系の本、発達系の本くらいだった。中川信子先生の本は、健診の相談で関わる親子とどう向き合うかという視点においては、かなりの良書で何度も見返した。今一度ちらりと開いてみたが…やはり知識と理解は別ものなのだと痛感。
何年経っても、知識は必要だし、経験に裏付ける知識と理解(勉強し直し)も必要なのだ。
 
この本は、乳幼児健診における心理相談員としての心得と目的、心理相談員としてあるべき姿について明確に記されてある。
著者の言うように、心理はおかれているフィールドによってその姿を変える。
乳幼児健診を軸とした地域の子育て支援のシステムの中で、このフィールドが、
  1. ○子どもの成長の喜びを親と共有する場
  2. ○親と子の日々の生活にふれさせてもらう場
  3. ○親の主訴に込められる、時にはことばとしても語られないニーズに応える場
となる。
 
そこで営まれる心理相談の固有性として、
A 来談者の相談動機は必ずしもはっきりしていない
B 相談内容は、子どもや子育てにかかわる主訴に含まれている
C 相談の場は、相談員が子どもと養育者双方と関係を結ぶ三者関係の構造をもつ
D 保健師や医師らとチームワークをベースにおく
としている。
 
この固有性に立ったうえで、
心理相談の基本として、「親の話を聴くこと」「子どもの姿を見ること」「親子のかかわりにふれること」を押さえたい。
 
この基本が機能するために、
  1. *発達の流れをつかむ
  2. *生活の流れをつかむ
  3. *気持ちの流れをつかむ
をふまえることが重要。
 
●親子教室の意味-3つの気づきを保証する
○子どもの発達的特徴への気づき
○子どもとかかわるうえでの配慮についての気づき
○親として子どもとのきずなを確かめるための気づき

親子教室のことまでも、
そして一半、三健の見立てポイントまで書かれてある。

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