増谷和子 「カコちゃんが語る植田正治の写真と世界」
そのときは、植田正治の写真だとは知らなかった。
当時、大学生だった私は確か授業でこの本を紹介されて、読んでみたことがあった。
それからしばらくして、京都の本屋でコロナ・ブックスの「植田正治の世界」と出会う。
あ、この人の写真見たことある!植田正治っていう写真家の写真だったんだ!
なぜか、植田正治の写真に物凄く心が惹かれた。
随分昔に撮った作品が妙に新しい。
白黒写真の中に感じる、静けさと美しさ。
お洒落なのに、洗練され過ぎていない、とっつきやすい写真。
きっと発表されている作品は、何枚も何枚も撮った中の1枚。
都会じゃなくても、こんだけ洗練された作品や物を残せるんだから。
本を読むと、少年のように写真に夢中で、新しいもの好きなおっちゃんだった。
植田正治という人間を身近に感じることが出来た。
鳥取砂丘で撮影されたと思っていた写真の大半は、弓ヶ浜という場所だったんだなぁ。
家族を愛し、山陰を愛した。
写真からは、静かで暖かな愛が溢れている。
- 作者: 増谷和子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2013/03/04
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 作者: 鷲田清一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/04/08
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る