私の中の図書館〜ライブラリー〜

読んだ本の内容をすぐに忘れてしまうので、ストーリーや読んで感じたことを書き留めたいと思います。

増谷和子 「カコちゃんが語る植田正治の写真と世界」

植田正治の写真に初めて出会ったのは、鷲田清一の本の表紙だった。
そのときは、植田正治の写真だとは知らなかった。
当時、大学生だった私は確か授業でこの本を紹介されて、読んでみたことがあった。
 
それからしばらくして、京都の本屋でコロナ・ブックスの「植田正治の世界」と出会う。
あ、この人の写真見たことある!植田正治っていう写真家の写真だったんだ!
なぜか、植田正治の写真に物凄く心が惹かれた。
随分昔に撮った作品が妙に新しい。
白黒写真の中に感じる、静けさと美しさ。
お洒落なのに、洗練され過ぎていない、とっつきやすい写真。
きっと発表されている作品は、何枚も何枚も撮った中の1枚。
 
 
いつか行きたいと思ってた、植田正治写真美術館にも4年くらい前に念願かなって行くことが出来た。
鳥取という場所にこだわって、写真を撮り続けた植田正治はやっぱりかっこいい。
都会じゃなくても、こんだけ洗練された作品や物を残せるんだから。
 
植田正治の娘さんが語る植田正治は、どんなもんだろうか。と興味を持った私はこの本を購入した。
本を読むと、少年のように写真に夢中で、新しいもの好きなおっちゃんだった。
植田正治という人間を身近に感じることが出来た。
 
鳥取砂丘で撮影されたと思っていた写真の大半は、弓ヶ浜という場所だったんだなぁ。
確かに、境港から鳥取砂丘まで行くのは大変だ。
 
家族を愛し、山陰を愛した。
写真からは、静かで暖かな愛が溢れている。
また、あの美術館へいつか訪れたい。カコちゃんが語る 植田正治の写真と生活

カコちゃんが語る 植田正治の写真と生活