絲山秋子 「不愉快な本の続編」
2011年11月10日
読書シーズンの到来?!
そういえば、あれから読破した小説はなかったな。
一時期、コミック本にはまったことがあった。夏前だったっけな。
読んだ本を振り返ってみると感想の薄っぺらいこと。
読み返しても、ただ、この本を読んだってことしか結局思い出せないじゃん!
というわけで、もう少し本の内容、作者、作品について感じたことを書いてみようと思うのだ。
7月ぐらいか、サクッと読みたくて手にした「ダティ・ワーク」という絲山作品。
読みかけたが、何だかおもしろくなくて。
あぁ、この人でもおもしろくない作品あるんだなってちょっとがっかりしたりして。
でも考えてみると当たり前なのか。全部よかったなんて作者はいるのか?!
二度目挑戦すると意外と面白いもの、寝かせてるといい味になる本などあるけれど。。。それにしても、「ダティワーク」に関しては二度と読むことはあるまい。
最新作の「不愉快な本の続編」は、おもろかった。
サクっと読めた。
好きだなぁってフレーズやあり得ない!感じにはまっていくこの感じ。
そうそう、この人のこういう常識を俯瞰して笑って見せる世界観。
乾が、自伝的に語る口調でストーリーが進むのも新鮮だったし、こねくり回してないシンプルな表現で書かれてるからくたびれずに読める。
村上春樹とか東野圭吾とかも一時期はまった時期があったけど、この方たちは一つのことを伝えるのにこねくり回して装飾つけまくりーので、想像力フル稼働してしまっていや稼働せずに疲れてしまう。余裕がないときは私には読めない。
乾って絶対付き合いたくないな。
まっすぐ生きられない性分なのか、どこか曲がってるけど憎めない。
でも、興味はあるので好きになってしまう可能性、いや間違いはありえる。
「隣接ってなんだろうと思うと、ピアノの鍵盤で言ったら不協和音なんだよな。
黒鍵も白鍵でもそうだ。
ドレミファソラシドは一つ空けないと調和にならない。
だけどボクはその不協和音ってのが大好きで…」
というフレーズに何かシンパシーを感じた。
近すぎていいことってないのかもしれない。
適度な距離と空白があるからこそ美しくいられるものだってあるはずだ。
この隣接している感じ、決して交わりはしない感じをキープするのは難しい。
最後、本の終わり方は残念だった。。
ラリってるの?って感じで意味不明だった。
結局乾はどうなったのか。
死んだの?
わからないけど、私はこの不愉快な本を閉じるよ。