鈴木敏夫 「ジブリの哲学‐変わるものと変わらないもの‐」
2011年3月18日
やっと読み終えた。
私、ジブリ信奉者というほどジブリを好きなわけじゃないけれど、
なぜかこの本は発売されると聞いてからずっと読みたいと思ってた。
図書館へ行ってもいつも貸出中だったので、ネットの古本屋で買ってしまった。
クリエーターというか、物をイメージして作る人たちってのに興味があった。
宮崎駿がなんでこんなに注目されるのか、ジブリがなんでこんなに注目されるのか少し分かった気がした。
ジブリを支えている根本って、時代に逆らわない自由さ、型にはまらない自由さってのが世代に関わらずそこにあって。
商業主義、資本主義って自由さを与えてくれたけど、
目的が儲けになってしまった瞬間、何かを失っていく。
儲けとクリエイトしたいものとのギャップを埋められずにいなくなっていった人たち。
瀬戸内寂聴さんが言ってた。
根っからの芸術家は、まっすぐには生きられない性分なんだって。
寂聴さんは、小説を書いているときが一番楽しいって言ってた。
それ以外は何もいらないというぐらい。
私、いつからか自分の中の創造性が失われていっていることを感じている。
根っからの芸術家だなんて思ってないけど、合理的で理性的な自分のほうがいつからか勝っているんだ。
そのことが何だか悲しくて、もがいてる。
私は、1980年代日本が大切な何かを失い始めたぞって頃に生まれた。
“景気回復”って中学ぐらいから言ってるからね。
少し景気が回復したって聞くにつけ、私たち日本人が感じる幸福の回復って起きただろうか。
個々の幸せは今も変わらず、ここにあるはず。
でも、日本っていう大きなくくりで、住んでる場所で、職場で感じる幸福の感じ方は変わってきた。
やり方は違うけど、自分が何を大切にしてきたのか、何を大切にしたいのか
ずっと何を考えてきたか少しわかったような気がした。
これから。
そう、ここからだと思った。