飛鳥井千砂 「タイニー・タイニー・ハッピー」
2012年10月17日
秋はやっぱり読書の季節。
久々に小説を読みたくなった。
とにかく、日常っぽいのを。
ほんのり幸せで、ほんのり切なくて、ほんのり読みやすいやつを。
まさにそんな今の気分にぴったりの作品だった。
8つの章に分けられた8人主人公同志を結んでいくチェーンストーリー。
どこにでもあるような日常の幸せについて、ちょっと考えてしまうそんな小説。
ほんのりの幸せ
今まで感じていたはずの、当たり前のようで当たり前でない持続的な幸福感。
それが1番だと最近思う。
テンションの高い好き好きモードの幸せ感って急降下も早い。
持久力のある幸せってのは、
ほんのりなんだって思う。
私が共鳴したのは、ジュンジュンと笑ちゃん。
今目の前にいる人と育むんだ。
決して妥協じゃないんだよね。
日々、日常にある1つ1つのことが
自分の中だけで完結していないことを知ること。
人と人との関わりの中で、
あぁ、これが自分の弱さなんか
あぁ、逆に強みにもなるんか
あぁ、これが幸せなんか
あぁ、こんなに大事なんだ
…
って気付くことが出来る日常。
この一瞬と繋がりの奇跡を大事にしなきゃ。
あったかい気持ちで読み終えられるこの幸せ感も、
タイニーだけど
それがいい。