LiLy 「11センチのピンヒール」
2013年1月20日
新聞で、文庫化された記事を見て初めて私はこの作品と作者を知った。
風邪を引いた勢いで一気に読み上げた。
「女友達に些細な見栄をはることで、積み重なっていく小さな嘘…自分をカッコよく見せるためについたはずの嘘が、どんどん彼女を孤独にしていく…」
他人事には思えないこのフレーズをどこか自分と重ねてしまう人っているんじゃなかろうか。
主人公のリコは24歳だから、私なんかよりもっとグッと若いのに。
でもやっぱり、大学出ていても24歳なら皆働き出して2年目だし、定職につけて正規職員ならばそのことだけで社会から必要とされているって感じることが出来る。
ただでさえ東京っていう場所で、孤独と隣合わせで生活している感じ。
自分は幸せなんだ、満たされているんだってことを身につけるもので表現したくなる。
気が付いたら、あらぬ嘘をついて、それが本当だったかのような感覚に陥っていく。。
東京じゃなくても、非正規で働きながら独り暮らししている孤独さは私にもわかる。
それに耐えられなくなったっていうのもあるんだよね。
素直でありたい。
そうなんだよね。
女友達ってのは、時に味方で時に見栄を張り合う関係になったりで面倒くさい。
この年になると色々あるんだ。
でも、素直でありたい。
年を重ねれば重ねるだけ、素直でありたいと願うことが増える。
最終的に、リコは友達に自分の本当の姿を友達にさらけ出すことが出来た。
それは、本当はそうしたいと願っていたリコ自身の本心とタカノの存在があったからだろう。
自分が背伸びしなくてもいい、等身大の自分でいられるような感覚を忘れずにいたいし、
そういう人との出会いを引き寄せるものを持っていたいと思う。